イントロダクション:理念が生まれた背景
私たちの存在意義について
私たちメイコーテクノは、これまでの歩みの中で、日々の現場と向き合いながら、常に問い続けてきました。
――「私たちは何のためにこの仕事をしているのか」
――「自分たちの価値はどこにあるのか」
その問いに真正面から向き合い、会社としての存在意義を言語化しようと、時間をかけて一つひとつの言葉を吟味していきました。そして考え抜いた末に、「進化するモノづくりに、安心を届ける」 という、私たちらしい想いを載せた言葉をPurpose(存在意義)としました。
このPurposeは、日々の課題解決に追われる中でも、私たちが何を基準に判断し、どんな方向へ進むべきかを示す「中心軸」です。
この中心軸をもとに、私たちは、Vision(ありたい姿)・Mission(使命)・Value(価値観)・Failure(失敗基準)の5つを整理しました。これらを総称する「PVMVF」は、単なるスローガンではなく、メイコーテクノの思考と行動を支える共通の羅針盤です。これには、私たちがどんな変化の中でも大切にする共通の価値観と、組織として追求していく社会的意義が明確に込められています。
PVM:組織の役割と未来の道筋
PVM(パーパス・ビジョン・ミッション)は、「個の卓越した専門知」と「組織の構造的な仕組み」の有機的な統合こそが、持続的な卓越性を実現する鍵であることを明示し、メイコーテクノが市場で果たすべき役割と到達点を定める、三位一体の原則です。
Purpose(存在意義):進化するモノづくりに、安心を届ける
私たちの存在意義は、最先端のモノづくりに「信頼」という名の安定性を提供し続けることです。
私たちが届ける「安心」とは、単なる品質維持にとどまらず、品質・納期・コストの安定性や環境配慮など、モノづくりのあらゆる面で「信じて任せられる」と感じていただくことです。私たちが支える基板実装の信頼性は、世界のデジタルインフラの信頼性を支える基盤となり、持続可能な社会の発展に貢献します。
Vision(目指す姿):信頼の基板実装ツールを、創造し続ける
Visionは、Purposeを達成するために私たちが市場において確立すべき地位を示す、未来の「ありたい姿」です。
変化の激しい時代においても、専門技術を磨き、協働しながら、品質・納期・コストすべての面で信頼されるツールを生み出し続けます。お客様が次世代の革新的な製品開発に専念できる環境を支え、未来のモノづくりを牽引する信頼できるパートナーであり続けます。
Mission(使命・任務):卓越した専門技術集団として、進化し続ける
Missionは、Visionを実現し続けるために日々私たちが果たすべき具体的な行動規範、すなわち「任務」です。
お客様の課題と真摯に向き合い、“より良く応えたい”という現場の想いを原動力に、常に期待を超えるために挑み続けます。この一つひとつの積み重ねが私たちを卓越した技術集団へと育て、存在意義の達成を可能にするのです。
Value(価値観):成長のサイクル
成功の鍵は継続であり、継続には仕組が不可欠です。個人の自発的な学習に加え、お客様からの要望に応え続けることで得られる膨大な知見を、組織資産として戦略的に取り込み、知識や経験として蓄積していくことが、私たちの信頼の基盤となります。バリューは、この持続的な成長プロセスを「Mindset (姿勢)」と「Behavior (行動)」の二つの側面から定義しています。「姿勢」を土台とした「行動」は、以下の論理的な成長サイクルを構成します。
Failure(失敗基準):学習への誓い
私たちは、挑戦の結果として生じる失敗を否定的に扱うのではなく、組織の学習と進化を促す重要な資源と捉えています。
一方で、挑戦を避けたことによる停滞や、再発可能性の高い不健全な失敗は、組織の成長を妨げる重大なリスクです。
そのため当社では、失敗を個人能力の評価材料ではなく、科学的に原因を分析し再発防止につなげるための知識資産として位置づけるため、「失敗基準(Failure Standard)」を策定しています。
私たちは、この基準を“生きた指標”として運用し、常に卓越性を追求し続けます。
サステナビリティとの接続:存在意義の社会的インパクト
メイコーテクノのPurpose(存在意義)は、事業活動を通じて、持続可能な社会の実現に直接貢献します。私たちは、親会社を含むグループ全体のCSRコミットメントに連動し、「信頼の基板実装ツール」を提供することで、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)の三軸を支えるESGパートナーとしての役割を果たします。
私たちの提供する高精度技術は、単なる品質向上に留まらず、「環境配慮は製品の外側だけでなく、製造工程の内側にもある」という思想のもと、サプライチェーンのサステナビリティを根幹から支えます。
- 環境(E)への貢献:精度と効率を通じた貢献
メタルマスクや治具の高精度化は、印刷・実装工程における不良やリワーク(手直し)を根本から削減します。これは、資源ロスを抑制し、生産ラインあたりのCO₂排出量を直接的に減少させる「排出しない努力」に繋がります。
工程内のトライ&エラーや調整ロスを減らすことで、製造装置の稼働効率を高め、省エネルギー化と環境負荷の抑制を内側から支援します。 - 社会(S)への貢献:倫理的責任とイノベーションの共創
親会社が掲げる社会貢献への倫理的責任に基づき、私たちは顧客や協力企業との開かれた共創を通じて、環境対応型モノづくり技術の普及を推進します。また、専門技術の教育や若手育成を通じ、電子産業全体の生産性・品質を両立させるイノベーション基盤を形成し、グループの一員として地域社会の持続性に貢献します。 - ガバナンス(G)への貢献:透明性と信頼性
データ管理、トレーサビリティ、厳格な品質保証プロセスの透明化を推進することで、サプライチェーン全体の信頼性向上に寄与し、企業の健全な統治体制を支えます。
PVMVFを「生きた基準」に
PVMVFは、抽象的なスローガンではなく、私たちの思考様式を定める設計図です。
明日からの業務において、困難な判断に直面したとき、あるいは組織の未来を見極めるとき、この理念は私たち全員が進むべき方向を示す、確かな羅針盤となります。全社員がこの共通の原則を深く理解し、実践することで、私たちはプロフェッショナルとしての進化を遂げ、未来のモノづくりに「安心」を届け続けるという、私たちの存在意義を、組織の誇りとして実現し続けます。

