BGAリワークとリワーク用メタルマスクについて
こんにちは。株式会社メイコーテクノ 営業担当の山口裕之です。
新年2025年が明け、あっという間に1ヶ月が経過しました。
先日新年のご挨拶を兼ねて大阪・兵庫・滋賀を中心に関西方面のお客様を回ったのですが、夜ご飯に名物のお好み焼き🥮を
定食でいただきました!…そう、定食なのでご飯(白飯)🍚と味噌汁🍲がついています。
この話を神奈川に戻った時にメイコーテクノ内で会話をしていたところ、「ありえない」との声がほとんど。
私は三重県(の西端)出身で関西圏の文化に触れる事が多かったので、お好み焼きに白飯がないと物足りない。。。
なんなら焼きそばでも白飯を食べます。だってラーメン・ライスは皆さんも食べますよね?!
…
……
………俺も・私も、という方がいらっしゃったら是非コメントを!
一応断っておくと、関西には遊びに行ったわけではないです(汗)
という事で本題へ。
メイコーテクノコラム、《メタルマスクについて徹底解説》をいつもご覧いただきありがとうございます。
第45弾となる今回は、第42弾の続編で、「BGAリワークとリワーク用メタルマスクについて」をご紹介いたします。
第42弾は株式会社エイエス電気のブログ担当者「フットワーク軽い上級者(フッ軽)」ことタカサキ様とコラボさせていただき、「基板のリワーク(改修・改造)について」の記事を書きました。
特にモンブラン🌰風BGA空中配線の写真が好評で、このコラムがキッカケでエイエス電気さんにリワークについて問い合わせがあったようです!
コラムを見ていただき、更にそのコラムをキッカケに新たなつながりができたこと、とても嬉しい気持ちになりました。
また是非いろいろな形でコラボしていけたらと考えています。(自社でメディアをお持ちの皆様も是非お声がけ下さい!)
今回は、そんなBGAリワークとBGAリワークに使うメタルマスクについての記事となります。
それでは徹底解説に進みます。
1.BGAのリワークって?
第42弾の復習ですが、リワーク=Reworkとは、Google翻訳先生曰く「やり直し」とのこと。
基板実装におけるBGAリワークは、BGAの再利用や交換、再配線を行うことを指します。
◎BGA再配線
BGAと基板を配線で繋いで回路を形成する事。
第42弾でも少し触れましたが、手作業で行う場合がほとんどで職人技に近いです。


◎BGAの再利用・交換
BGAの再利用・交換方法は主に、
・ヒートガンなどを使って手作業で行う場合
・リワーク装置等を使って半自動で行う場合
があります。
これらの方法で
① | 基板からBGAを取り外す |
② | 取り外したBGAからはんだボールを除去(クリーニング)する |
③ | BGAにフラックスもしくはクリームはんだを印刷(塗布)する |
④ | BGAにはんだボールを搭載する(リボール・ボール再搭載) |
⑤ | 基板にBGAを取り付ける |
といった作業を行います。
上記作業の中で③④を行う際(以下「リボール作業」という)、メタルマスクの作製が必要となります。
※メタルマスク無しでもリボール作業は可能ですが、かなり難易度が上がってしまいます。
最近では共晶のはんだボールを鉛(Pb)フリーのはんだボールに載せ替えるリボール作業もよく聞きます。


◎写真提供:株式会社エイエス電気
2.BGAリボール作業に必要なメタルマスク
上記の通り、BGAリボール作業を行う際にメタルマスクが必要となります。
BGAリボール作業に使うメタルマスクは以下2種類です。
・フラックス塗布もしくはクリームはんだ印刷用メタルマスク
・ボール搭載、整列用メタルマスク

写真はメイショウ株式会社製BGAリボールツール「リボコン RBC-100」専用のメタルマスクです。
BGAリボールツールの使い方は、メイショウ株式会社のホームページに詳しく掲載されています。
また、BGAリボール作業は㈱ケイ・オールのホームページに写真付きで詳しく掲載されています。
合わせてご覧下さい。
3.BGAリボール作業用メタルマスクの作り方
BGAリボール作業用メタルマスクの作り方は、
◎部品データシートの情報から作製
◎基板データ、もしくはメタルマスクデータからBGA部分のみを抜き取ってメタルマスクを作製
の2パターンで作製が可能です。
すでにボールが搭載されているBGAを使う場合は、基板パッドに印刷するメタルマスクを作る場合もありますが、
大まかには上記と同様の作製方法となりますので今回は割愛します。
◎部品データシートの情報からメタルマスクを作製
① BGAのデータシート内の必要な情報を参照しメタルマスクデータを作成

② メタルマスク開口設計及びメタルマスク厚を決定
・フラックス塗布もしくはクリームはんだ印刷用メタルマスク
開口サイズ :推奨パッドサイズの面積80%前後
メタルマスク厚:開口サイズからはんだ抜けを考慮して設定
(開口サイズによる、120μm前後が多い)
・ボール搭載、整列用メタルマスク
開口サイズ :MAXボール径に少しクリアランスを持たせたサイズ
メタルマスク厚:ハケでボールを搭載・整列させる際にはんだボールが重ならない、こぼれ落ちない程度
(はんだボールサイズによる、150μm~250μmが多い)
上記開口設計やメタルマスク厚の選定は、前出のメイショウ㈱のリンク内にオススメ値が記載されています。
もちろん弊社メイコーテクノの実績からご提案も可能ですので、お気軽にご相談下さい。
◎基板データ、もしくはメタルマスクデータからBGA部分のみを抜き取ってメタルマスクを作製
① 基板データもしくはメタルマスクデータから必要なBGAの情報を取り出す

② メタルマスク開口設計及びメタルマスク厚を決定
上記部品データシートからの作成と同様
上記いずれかの方法でメタルマスクデータを作成したらレーザーもしくはエッチングで加工します。
※注意事項
特にボール搭載・整列用メタルマスクは、開口間クリアランスが狭くなるケースが多くあります。
この場合レーザーで加工すると、狭いクリアランス部分に熱が蓄積して熱歪みが発生します。
熱歪みが発生したメタルマスクを使うと作業効率が悪くなる可能性がありますので、上記のような開口間クリアランスが狭い
メタルマスクは熱歪みが出ないエッチング加工を推奨しております。
ちなみにエッチング加工費用はレーザー加工に比べて約2割増し(120%)になります。

歪みが一方向ではないのが悩ましいところ
レーザー加工・エッチング加工どちらにするかは、弊社メイコーテクノでレーザー加工時の熱歪みリストを作成してありますので、メタルマスク作成時にご相談下さい。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。
リワークにリボールにリボコンと同じような名称でややこしいですよね…。
リワークは大きな括りで、リボールはその中の一部分ではあります。
ちょっと考えてみたのですが、いずれの「リ」も英語でRe-workなどの「Re」からきており、日本語変換で一番しっくりくるのは「再」かなと思いました。
リワーク=再作業、リボール=再ボール搭載、こう言い換えると少しはわかりやすくなりますでしょうか。
日本語って本当にむずかしい。。。
次回は第43弾でお約束をしました人気記事「メタルマスク開口設計と板厚について」を2025年最新版にリライトします。
ちなみに、ここでも「リ」を使ったのはわざとです(笑)
ぜひ次回以降の記事もお楽しみに。
メイコーテクノでは基板実装におけるお客様の課題解決を目的とし、「本気のモノづくりに応える」を掲げながら日々のモノづくりに
取り組んでおります。