基板のリワーク(改修・改造)について|メイコーテクノ

2024年12月9日時点の情報です。

こんにちは。株式会社メイコーテクノ 営業担当の山口裕之です。

街中はいつのまにかに染まりつつありますね。

2024年もあっと言う間に過ぎ去ろうとしています。 クリスマスプレゼント🎄🎁を楽しみにしていたあの頃からウン十年、さて、忘年会やらクリスマスプレゼントやらお年玉やら新年会やら…年末年始は出費がかさみますね。

メイコーテクノコラム、《メタルマスクについて徹底解説》をいつもご覧いただきありがとうございます。

これまでは主に基板の表面実装(SMT)関連にスポットライトを当ててコラムを書いてきました。
今回は少し趣向を変えて、基板実装した後の話です。

「基板のリワーク(改修・改造)」を書いてみようと思ったきっかけですが、同じ企業コラム・ブログ担当者である株式会社エイエス電気の「フットワーク軽い上級者(フッ軽)」ことタカサキ様と記事を書き続ける事の苦労話で意気投合し、それぞれの仕事を勉強してみよう!と始まりました。

記事を作成するに当たり、実はかなりのボリュームとなってしまいましたので…2回に分けてご紹介いたします。
・第42弾…基板のリワーク(改修・改造)について
・第44弾…BGAリワーク用メタルマスクについて

なお、第43弾は年末となりますので、2024年の振り返り記事を予定しています。

リワークについての記事作成に当たり、専門分野であるエイエス電気から沢山の情報収集をさせていただき、私自身もとても勉強になりました。この場を借りて御礼申し上げます。

それでは徹底解説に進みます。


1.基板のリワーク(改修・改造)って?

リワーク=Reworkとは、Google翻訳先生曰く「やり直し」とのこと。
こと基板実装においては、基板のリワーク(改修・改造)を行うケースは主に2つあります。

①プリント基板に搭載された半導体や電子部品の不良箇所の修正
わかりやすいイメージは電気製品の修理です。
最近の電気製品にはプリント基板が搭載されている事がほとんどで、不具合や故障の原因が基板である…という経験は皆様も一度はありませんか?
このような不具合や故障のあったプリント基板に対し、
・原因の解析
・部品や半導体の取り替え 等

により、不具合を解消する内容です。
部品の交換方法は主に、
・はんだごてやヒートガンを使って手作業で行う場合
・リワーク装置を使って半自動で行う場合 があり、BGA交換の際には用途に応じたメタルマスクの作製が必要となります。

図1:スタック実装①
図2:スタック実装②

②基板上の回路変更、部品の再利用
新しく基板を作り直すには基板の再設計や再作成と多くのコストが発生します。
さらに最近では電子部品の入手性が悪化した事があったかと思います。
特に開発や試作では、基板仕様変更などで
・BGA横の配線から信号を取りたい
・QFP近くの配線をコネクター下の配線とつなげたい
・入手困難な部品を前基板から取り出したい

などの場合に行います。
部品再利用については、やることは①と同様で、はんだごてやヒートガン、リワーク装置を使って部品を取り外し、再度取り付ける事になります。

回路変更については、基板パターンを切断し他の回路にジャンパーを接続するのですが、ほぼ手作業となり職人技に近いのかなと感じました。

図3:BGAジャンパー配線
図4:パターン改修
図5:ユニバーサル

前出のエイエス電気との情報交換で盛り上がったのは、この回路変更のデモで行なったBGA空中配線がX(旧Twitter)の口コミでバズったらしく、写真を拝見したところ…モンブラン🌰」でした(笑)

図6:空中配線

コレを手作業でやられたとの事、見た瞬間に「良いね」や「リポスト」をしたくなりますよね??

エイエス電気はメイコーテクノと同じくLABOを備えており、「実験室に隣接している工場」をコンセプトに基板に関する開発・設計・試作実装・改修・量産実装・組配・修理を行われています。
気になられた方へ、リンクを貼っておきますのでご覧になって下さい。

せっかくの機会ですので、メイコーテクノのLABOもご紹介します。

2.リワーク装置について

バッテリー交換程度ですが趣味でノートパソコンの修理💻🔧をやった事がありまして、その時にジャンク品の修理動画を見漁っている頃がありました。
動画を見ていると、プリヒーターで基板を温めてヒートガンを当てながらBGAをピンセットで抑えながら“ぷるん”と動いたらはんだ付け完了…本当にはんだって生きものなんだなと感じた次第です。

そんなリワークを再現性高く、かつ効率的で品質の高いはんだ付けができるのがリワーク装置で、以下にリワーク用メタルマスク作製時によく聞くリワーク装置メーカーを記載しておきます。

その他、ドイツ、アメリカ、中国でもメーカーがあるようですが、詳しくは産業用製品メーカー比較サイト『Metoree」でリワーク装置を含むリワークステーションメーカーのラインナップが掲載されていますので、そちらをご参照下さい。

3.まとめ

いかがでしたでしょうか。
基板のリワークとは何なのかを知ることができ、私自身もとても良い勉強になりました。
特にジャンク修理のYoutubeを見漁っていた私としては、「リワーク装置ってなんて便利なんだ!」と感じました。

次回第43弾は2024年の締めとして1年の振り返り記事をお届けします。
2025年1発目の第44弾にリワークの中でもBGAリワークにスポットライトを当てて、そこに使われるメタルマスクについての徹底解説を行う予定です。

ぜひ次回以降の記事もお楽しみに。


メイコーテクノでは基板実装におけるお客様の課題解決を目的とし、「本気のモノづくりに応える」を掲げながら日々のモノづくりに取り組んでおります。

東京、神奈川を中心に、大阪や愛知からのお問い合わせも増えてきました✨
メタルマスクのことならメイコーテクノへお気軽にお問い合わせください。

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