メタルマスク開口設計と板厚について|メイコーテクノ
2021年08月26日時点の情報です。
メタルマスク開口設計と板厚について
こんにちは、(株)メイコーテクノ 営業担当の上岡淳史です。
<<メタルマスクについて徹底解説>>につきまして、いつもご覧いただきまして有難うございます。
前回までは同じメタルマスク営業の山口から配信させていただいておりましたが、5回目となる今回私上岡から初めての配信となります。
手前味噌で恐縮ですが、少し自己紹介をさせていただきます。
私は前職でテレビ局のADをやり、メイコーテクノに入ってからはメタルマスク編集業務を経て現在のメタルマスク営業に携わるようになりました。
この業界ではかなり異色な経歴であると自任しております…が、ADで培った粘り強さとメタルマスク編集業務で培ったデータづくりのノウハウでお客様のお役に立てるよう日々邁進しております。
お客様と共に成長していきたいと考えておりますので、お気軽にお声がけいただければ幸いです!
さて、今回はそんな元メタルマスク編集者の私が開口設計や板厚について解説致します。
1. メタルマスクデータとは
以前のコラムでもご紹介させていただきましたが、メタルマスクを製造するにあたり、現在の主流はガーバーデータを中心としたデータのやり取りとなっております。
メタルマスクの開口データとなるメタルマスクデータは、基本的には基板パットと同寸で作成されます。
この状態(=基板パットと同寸)のままでメタルマスクを作れれば良いのですが、特に最近は実装難易度が上がり、なかなか上手くいかないのが実情かと思います。
そこでメタルマスク開口設計の出番です。
2. メタルマスク開口設計について
上記のように、基板パットと同寸のままメタルマスクを製造した場合、なかなか想定していた部品実装品質とはなりません。
そこで、お客様からご支給いただいたメタルマスクデータを基に、部品実装品質上問題の無いと想定される印刷状態になるようメタルマスク開口の設計を行います。
メタルマスク開口設計には以下のパターンがございます。
①お客様の開口設計ノウハウ(データベースやライブラリ等)を基に、お客様がメタルマスクメーカーへデータ編集内容の指示を行う
→メタルマスクメーカーはお客様ご指示の状態に仕上がるよう、専用CAMソフトで編集作業を行う
②お客様から既に開口設計・データ編集が実施されたメタルマスクデータのご支給
→メタルマスクメーカーはデータ編集を行わず、データチェックと加工データへの変換のみを行う
③メタルマスクメーカーで蓄積された開口設計ノウハウを適用する
→メタルマスクメーカーから開口設計を提案、内容は事前の取り決めや都度の打ち合わせにより決定される
①及び②はご指示通りのものを正確に作る事が要求されますが、③についてはメタルマスクメーカーの腕の見せ所です。
弊社ではメイコーグループのワンストップソリューションで培ったノウハウにより、お客様に最適な開口設計をご提案させていただいております。
3. 開口設計の内容について
日々お客様から開口設計についてのご相談をいただいております。
ご相談が多い内容をランキングにしてみました!
【開口設計ご相談内容ランキング】
1位 : メタルマスク厚の設定(メタルマスクのはんだ抜け性)
2位 : チップ部品のはんだボール対策(ホームベース型開口、この字型開口…etc)
3位 : ノンリード部品のはんだ量調整(開口を絞る)
4位 : IC放熱部の開口値設定(スルーホール逃げ、リード部とのブリッジ回避)
5位 : はんだ付け強度アップ(開口値拡大によるはんだ量増等)
あるある!も多いのではないでしょうか。
4. メタルマスク厚の選定について
上記の通り、一番ご相談が多いのがメタルマスク厚の選定についてです。
特に最近は軽薄短小が進んでいるのに加えて、はんだ強度が必要な部品もまだまだ残っており、頭を悩ませるところかと思います。
◎大小部品混在基板や局所はんだ量調整に最適「ハーフエッチング処理」
メタルマスク厚の選定には、メタルマスクからクリームはんだがキレイに抜けるかの「はんだ抜け性」が重要となってきます。
はんだ抜け性はメタルマスク開口壁面(開口の内側)と基板パットの引っ張り合いで基板パットの引っ張る力が強ければ「抜け性良」、メタルマスク開口壁面の引っ張る力が強ければ「抜け性悪い」となります。
特にメタルマスク開口壁面の引っ張る力はメタルマスク品質の肝となるところで、メタルマスクメーカー各社ともに様々な工夫を行って加工しています。
弊社では上記はんだ抜け性をIPC規格のステンシルデザインガイドラインであるIPC-7525Bを参照して数値化し、メタルマスク厚選定時のご提案をさせていただいております。
是非ともご活用くださいませ。
5. おまけ メタルマスク厚変化の歴史
時代の流れとともに、選ばれるメタルマスク厚も変わってきております。
メタルマスク厚選定の歴史を少し振り返ってみたいと思います。
・10年前と現在のご依頼板厚推移
特に変化や割合が大きいところに目を向けると…
時代と共に小型部品が増えてきており、メタルマスクを小型部品に合わせて薄くしている傾向が見て取れます。
10年前といえば…私はまだ違った夢を追いかけておりました。
時代の流れは早いものです。
いかがでしたでしょうか?
今回は開口設計とメタルマスク厚について解説させて頂きました。
お客様のお役に立てれば幸いです。
当社では基板実装におけるお客様の課題解決を目的とし、「本気のモノづくりに応える」を掲げながら日々のモノづくりに取り組んでおります。
次回は「メタルマスクの壁面処理について」を紹介させていただきます。
基板実装における品質の大きなファクターとなるメタルマスクの壁面処理について徹底解説させていただきます。
是非とも楽しみにしていて下さい!
東京、神奈川を中心に、おかげさまで最近ではモノづくりの本場、大阪や愛知からのお問い合わせも増えてきました✨
メタルマスクのことならメイコーテクノへお気軽にお問い合わせください。