メタルマスクのリサイクルとリユースについて|メイコーテクノ
2023年07月28日時点の情報です。
こんにちは、㈱メイコーテクノ 営業担当の山口裕之です。
弊社コラム、《メタルマスクについて徹底解説》をいつもご覧いただき有難うございます。
第27回目となる今回は、“メタルマスクのリサイクルとリユースについて“をご紹介させていただきます。
少し前に、とあるリサイクル・リユース工場に訪問させていただいた際にとても興味深いお話をお聞きする事ができましたので、その内容を元にメタルマスクに当てはめてコラムにまとめさせていただく事にしました。
最近では「SDGs」や「ROHS指令」「ISO14001」等々、環境問題への取り組みが非常に重要であるという考えが広まっています。
本コラムによって、環境負荷の側面から見てメタルマスクはどのような商品なのかを知っていただけると幸いです。
それでは徹底解説を進めさせていただきます。
目次
1.そもそも「リサイクル」と「リユース」の違いは?
皆さんご存知でしょうか?
私もよく利用させていただくハー◯オフやトレ◯◯ーファクトリーなどは実はリサイクルショップではないんです!
いやいや、リサイクルしてますやん!という声が沢山聞こえてきそうですが…汗、結論からお伝えすると、正確には「リユースショップ」なんです!
Wikipediaには以下のように記載されています。(引用:Wikipedia)
◎リサイクル → 「人間から排出された資源(または エネルギー )を再度回収して利用すること。」
一言で言うと「再生」や「再資源化」や「最製品化」ですね。
◎リユース → 「一度使用された 製品 、もしくは製品の一部のモジュールや部品を分解して原料に戻すことなく、製品や部品のまま使い回すこと(修理などを伴う場合も含む)をいう。」
一言で言うと「再使用」もしくは「再利用」ですね。
これらは冒頭で記載させていただいたリサイクル・リユース工場でお聞きした内容でして、なるほど!と思ったので共有させていただきました。
上記を踏まえまして、メタルマスクのリサイクル・リユース状況はどうなっているのかを製品別でご紹介させていただきます。
2.コンビネーションメタルマスク(アルミ枠付きメタルマスク)のリサイクルとリユース
◎コラム:メタルマスクのコンビネーションについて
コンビネーションメタルマスクは大きく分けて次の4つに分解できます。
・アルミ枠
・ステンレス(SUS)
・テトロンメッシュ
・梱包資材
コンビネーション:Before
コンビネーション:After
コンビネーションメタルマスクのリサイクル性は以下のとおりです。
①不要になったメタルマスクを回収(梱包資材はお客様にてリサイクルに出されるケースが多い)
②上記4種に分別
③分別後
・アルミ枠 → 預かり枠としてリユース(複数回リユースし劣化したアルミ枠はリサイクルへ)
・ステンレス(SUS) → リサイクル
・テトロンメッシュ → 産業廃棄物
・梱包資材 → リサイクル
3.疾風メタルマスクのリサイクルとリユース
◎着脱式メタルマスクの特徴
疾風メタルマスクは大きく分けて次の3つに分解できます。
・ステンレス(SUS)
・疾風メタル保管BOX(樹脂製 or 紙製)
・梱包資材
疾風メタルマスク:Before(樹脂)
疾風メタルマスク:After(樹脂)
疾風メタルマスク:Before(紙)
疾風メタルマスク:After(紙)
疾風メタルマスクのリサイクル性は以下のとおりです。
①不要になったメタルマスクを回収(梱包資材はお客様にてリサイクルに出されるケースが多い)
②疾風メタル保管BOXとステンレスを分別
③分別後
・ステンレス(SUS) → リサイクル
・保管ボックス
→樹脂製:リユースの後、産業廃棄物
→紙製:基本リユースせずリサイクル
※疾風のSUSはお客様にてリサイクルに出されるケースが多く、樹脂製保管ボックスのみ回収させていただくケースが多いです。
4.簡易メタルマスク(SUSのみメタルマスク)のリサイクルとリユース
簡易メタルマスク(SUSのみメタルマスク)は大きく分けて次の2つに分解できます。
・ステンレス(SUS)
・梱包資材
簡易マスクはリワークや手刷りで使われるケースが多く、お客様で長期間ストックされる事が多いのと、
お客様でのリサイクル性も高いことから、上記「2.」「3.」に比べ弊社で回収させていただくケースはとても少ないです。
5.一番リサイクル性の高いメタルマスクは?
結論からお伝えすると、一番多くメタルマスクを使われる自動機による実装では…疾風メタルマスク+紙製保管BOXのセットが最強となりますね!
この仕様だと、メタルマスクメーカーの回収を待たずにお客様先で容易にリサイクル運用していただく事が可能で、資源回収業者を使えば買い取ってくれるので、💴メタルマスク費用のキャッシュバック💴にもなります。
(もちろんSUSのみの簡易マスクが一番ですが、今回は選外にしました…汗)
疾風メタルマスク+樹脂保管BOXのセットは基板へのコンタミを減らせる一方、リサイクル性は紙製保管BOXに劣ってしまいます。
…悩ましいところですね。。。
コンビネーションメタルマスクもリサイクル性は高いのですが、接着剤によりそれぞれの材料が一体化されているため、
分別するのにスキルが必要なのと、それなりの工数が必要になってしてしまうのが大きな難点です。
こうやって俯瞰して見てみると、メタルマスクって「捨てる」ものが少ないんだなーと改めて感じた次第です。
今回はSUS材を使ったメタルマスクにスポットを当ててご紹介させていただきましたが、半導体向けメタルマスクの主剤であるNi(ニッケル)もリサイクルが可能で、リサイクル効率も最高レベルに高い材料となっています。
いかがでしたでしょうか。
最近コンビニのコーヒーやマクドナルドのジュースなどのストローがプラから紙素材に変わっているのを見かけます。
今回いろいろ調べてみて、「そういう事なのかな」と今更ながらうっすら気付いた次第です。
個人レベルでも「ごみ」は常に排出されているのですが、しっかり分別してあげればリサイクルできるものはとても多いんですよね!
特に外食した時などは何気なくゴミ箱に捨てていましたが…今度からはもう少し分別を意識してみようと思いました。
東京、神奈川を中心に、おかげさまで最近ではモノづくりの本場、大阪や愛知からのお問い合わせも増えてきました✨
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