はんだについて|メイコーテクノ

こんにちは、㈱メイコーテクノ 営業担当の山口裕之です。
弊社コラム、《メタルマスクについて徹底解説》をいつもご覧いただき有難うございます。
30回目となる今回は、“はんだについて“をご紹介させていただきます。

いきなりですが皆様、はんだペーストの作り方はご存知ですか??
私は…正直知りませんでした。

そんな中、先日とあるはんだメーカー様に伺う予定があり、どうやって作っているか聞いてみたところ、
前回登場の新卒営業のK内くんが一緒だった事もあり、「う~ん、カレーかな!」とわかりやすい例えで教えていただきました。

そう、お肉と玉ねぎ、人参とじゃがいもが入ったり入らなかったりするあのカレー🍛です!
はんだメーカー様との打合せ時にも詳しくお聞きしたのですが、帰った後に色々調べて見ると…ほんとにカレー作りと似てるんですよね!!

はんだはメタルマスクと切っても切れない縁というのもありますし、今回いろいろ気付きがありましたので記事にさせていただくことにしました。

それでは徹底解説を進めさせていただきます。

1.そもそも「はんだ」とは?

「はんだ」は、金属部品や電子部品などを接合する(くっつける)ために使用する材料です。
はんだの種類は大きく分けて「鉛入り(有鉛)」「鉛無し(無鉛)があり、鉛入りは「共晶はんだ」、鉛無しは「鉛フリーはんだ」とも呼ばれ、
2003年のROHSなどの取り組みにより、現在は鉛が入っていない鉛フリーはんだ(無鉛はんだ)が使われることが多くなってきました。

それぞれの種類や特徴については、安曇川電子工業さんのブログにとてもわかりやすく掲載されていましたので、情報を共有してここでの解説は割愛させていただきます。
正直…私もこちらのサイトを拝見して勉強しました(汗)。
◎安曇川電子工業㈱ブログ「はんだの種類と用途を詳しく!基板の実装用はんだについても解説」

はんだ付けによる接合の大きなメリットは、比較的融点が低く(一般的に200℃前後~300℃)、それを液体状態で使用して接合する部品の表面に溶接します。
ちなみに、金属と金属の溶接というとよく聞くのが「アーク溶接」ですが、こちらは何と5,000~20,000℃らしい!
まぁ…電子部品は溶けますね!

はんだによる接合「はんだ付け」と呼ばれており、はんだ付けの歴史は古く、日本はんだ付け協会によると、ツタンカーメン王の墓からはんだ付けを使った装飾品が出土しているそうです。
かれこれ紀元前3,000年頃のお話しのようで…もう教科書レベルの歴史ですね。
(引用:日本はんだ付け協会「はんだ付けの知識2」)

2.はんだ?半田?

さて、そんな「はんだ」ですが、「はんだ」「半田」…どっちで書くのが正しいんだろうと悩んだ事はありませんか?
(私は悩みました…汗)
結論としては、「はんだ」と仮名書きするのが一般的だそうです!
漢字表記の「半田」は語源がはっきりしていないため仮名表記が適当なんだとか。
ちなみに「半田」語源候補はいくつかあって、はんだの成分である錫(スズ)と鉛がちょうど半々だったから訛って…「半々だ!」→「半だ!」→「半田」だとか、
福島県にある半田銀山から引用されたとか…手(ハンド)が転じたとか…。
私としては「半々だ!」が一番それっぽいなとは思いましたが(笑)、皆様はいかがですか?
(引用:Wikipedia「はんだ」

3.はんだの実装用途別種類

はんだ自体の種類は前出の通りですが、基板実装をするあたり、実装方法により以下の3種類が使い分けられます。


・はんだペースト(クリームはんだ)
合金粉末とフラックス(はんだ付け補助剤)の混合物で、表面実装工程(SMT)で電子部品を基板に接合する際に使用されます。
◎過去コラム「表面実装(SMT)について」

・糸はんだ
見た目「針金」です!
はんだごてを使った電子部品のはんだ付けに使用します。
はんだごてで糸はんだを溶かしながらはんだ付けを行います。

・棒はんだ
金の延べ棒…ならぬはんだの延べ棒です(笑)。
フローはんだ槽で棒はんだを溶融させて、主に挿入部品のはんだ付けに使用されます。
手元に棒はんだがなかったので、amazonのURLを貼っておきます。
◎棒はんだ画像 ※amazonのサイトに飛びます。
…amazonってほんと何でも売ってますね!

冒頭で書いたはんだペーストの作り方になぜ興味があったのか…そう!表面実装工程でメタルマスクと一緒に使用されるのからなんです!

4.カレー作りとはんだペーストの作り方

さて、前置きはこの辺にして今回の本題です。
はんだの作り方の中でも、メタルマスクと密接な関係にあるはんだペースト、製造方法はカレー作りと同じらしい!
ということで、はんだの作り方とカレーの作り方(笑)を調べてみました。

はんだペースト(クリームはんだ)の材料

  1. はんだ合金粉末
  2. フラックス(はんだ付け促進剤)
  3. ペーストのベース(水が一般的)
  4. 均一に混ぜる為のファットナー(グリセリンなど)
  5. ボウル
  6. スパチュラ(かき混ぜ棒)
  7. 電子秤

カレーの材料

  1. 沢山のスパイスを混ぜたカレー粉
  2. バター
  3. 小麦粉
  4. お鍋
  5. お玉など
  6. 電子秤(山口家は目分量)

はんだペースト(クリームはんだ)の作り方

  1. ボウルにフラックスを注ぎファットナーを加えて混ぜる
  2. はんだ合金を追加し均一になるように混ぜる
  3. 都度ファットナーやペーストベースを追加し流動性調整
  4. 容器に充填、密閉、冷暗所保管

カレーの作り方

  1. バターを熱し小麦粉を加えてとろみを出します
  2. カレー粉を加えて混ぜる
  3. 都度水や小麦粉などを追加してとろみを調整
  4. 容器に入れ冷蔵庫で寝かせる


……
……… ここまで似ているとは!!(笑)

調べてみて、ほんとカレーの作り方(どちらかというとカレールーの作り方?!)そっくりだなと!
ただし、山口家はジャワカレーなどのカレールーを使いますので、教えていただいたはんだメーカーの担当者の方は料理に精通されているのでしょうね。

これなら私でもはんだペーストを作れるのでは?!と思うかもしれませんが(思わないか…)、
はんだ合金の配合や、特にフラックスの組成にはメーカー各社のノウハウが入っており、これらによりはんだの性能が大きく変わるそうです。
カレーもスパイスの配合が決め手なので、この辺も似ているっちゃ似ていますね!


いかがでしたでしょうか。
調べてみてわかったのは、メタルマスクとは違い、はんだに関する技術的な情報はWEB上に結構出てきますので、
今回は少し違った角度から記事を書いてみました。
記事を読んでいただいて、少しは「はんだ」が身近になったのではないでしょうか?(笑)
私もこれを機に、もう少し深くはんだについて知りたいなと思った次第です。

当社では基板実装におけるお客様の課題解決を目的とし、「本気のモノづくりに応える」を掲げながら日々のモノづくりに取り組んでおります。

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      はんだについて|メイコーテクノ” に対して2件のコメントがあります。

      1. 平塚の金さん より:

        山口様 コラムリリース後、5日目のコメントとなってしまいましたが今回のコラムは私的に大絶賛!このカレーとペーストはんだの製造方法が酷似しているネタは是非お客様とのトークの中で使用させてください。このネタかなりいいです(笑)

        1. ㈱メイコーテクノ 山口裕之 より:

          平塚の金さん、コメント有難うございます!
          いいネタですよね!はんだメーカー様からこの例えをいただいた際は、「コレだ!!」と思ったんですよね♪

          私もこの記事を書く前からトークの中で使ってまして、「カレーですよ!面白そうじゃないですか?!」からの「次のコラムで書くから見てね」が鉄板ネタでした(笑)

          今回日々の営業活動の中でもコラムネタが転がっている事を改めて認識しました。
          「へぇ」と思っていただける記事を目指してこれからも頑張ります!

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