メタルマスクでできる実装改善~はんだボール対策のメタルマスク版ができるまで~|メイコーテクノ

2024年05月13日時点の情報です。

こんにちは、㈱メイコーテクノ 営業担当の山口裕之です。
弊社コラム、《メタルマスクについて徹底解説》をいつもご覧いただき有難うございます。

実は今回、忙しい事が重なった事もあってか中々記事がまとまらなくて…、悩んでいた事を社長に打ち明けたところ、急にスラスラと書けるようになりました。
悩んでいた時は頭の中がモヤモヤしていたのですが、話をしたらサーッと霧が晴れるような感じでした。
頭の中で考えるだけではなく、その考えを「言語化」する事がとても大切なんだなと考えさせられました。
最近お風呂で本を読む事🛀📖を趣味にしていまして(笑)、今度は言語化についての本📚でも読んで見ようかなと思います。

記事を楽しみに待っていただいていた方、遅くなってしまい申し訳ございませんでした。

さて今回は、前回お伝えをしていました「はんだボール対策のメタルマスクができるまで」を解説させていただければと思います。
前回記事で、はんだボールの発生は一言で言うと「内側のはんだ量が多い」からで、対策として1/3Lホームベース型などへの形状変更をランキングを形式で掲載させていただきました。
◎メタルマスクでできる実装改善~はんだボール対策編~
今回はその形状変更をどのように進めてものづくりを行っているのかをご案内させていただきます。

それでは徹底解説を進めさせていただきます。


1.そもそもメタルマスクデータとは

以前のコラムでもご紹介させていただきましたが、メタルマスクデータは基本的に基板パッド(ランド)と同寸で作成されます。
この出来上がったメタルマスクデータをそのままレーザーで穴あけして…となれば、作る側も使う(依頼する)側も楽なのですが、独自のライブラリを適用、もしくはデータ(開口)修正を行なわなければ、なかなか良い実装品質とはなりません。
◎メタルマスク開口設計と板厚について

今回のはんだボール対策のメタルマスクを作成するに当たっても、いただいたメタルマスクデータをもとに

1/3Lホームベースなどへの形状にデータ補正(修正)作業を行っていく事になります。

2.データ補正例 ~1/3Lホームベース型補正~

では実際どのようにデータを補正していくのか?をご紹介させていただきます。
データ補正は次の6ステップとなります。

STEP1
データを読み込む
STEP2
自動変換
これはサイズ毎に登録したライブラリを当てる事になりますので、
1μmでもサイズが違うと適用されません。。。
STEP3
シルクデータを読み込む
STEP4
②で当てた自動変換に漏れがないか目視で確認する
STEP5
漏れがあれば手動で1つ1つデータ修正を行う

前回のコラムでも書かせていただきましたが、「1608以上のCとRで」「電解コンデンサは除く」「フィルタも除く」といった条件付けも可能なので…

STEP6
こちらもシルクデータを読み込んだデータや部品ライブラリを目視で確認して1つ1つ確認していく事になります。

えっ、このご時世で目視ですか?🤷‍♂️😱と思われたそこのあなた!

次でクイズを出しますので是非やってみて下さい。
どうしても自動変換ができない理由がお分かりいただけるかと思います。

◇クイズ◇
それでは問題です。
2個対の開口に対して1/3Lホームベース補正を適用します。
そこで…以下画像のどこが2個対だと思いますか?

どうでしょう?わかりましたでしょうか?
それでは答え合わせです。

正解できましたか?正直これは簡単な部類でして…余裕!という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
もっと難しいのだと、ぜんぶ真四角で均等間隔だったり…という意地悪(?!)データもあったりします。

これに何も設定せずに「2個対を1/3Lホームベース型に変換する」というライブラリを適用すると…

このような感じで2個対の誤認識が起きたりします。
もちろん、2個対の詳細寸法が分かっているのであれば、事前に登録しておけば誤変換は大きく減らせますが、
それでも最終的にはちゃんと変換されているかは目視で確認するしかないのです。。。

ここに更に「電解コンデンサは除く」などの条件があれば、電解コンデンサはどこかな?という目視での確認も入ります。
とても細かい作業ですよね!
私は大雑把な人間なので…メタルマスクのものづくりには絶対向いていない自信があります(汗)ので、
いつもしっかり良品を作ってくれるウチの製造には改めて感謝🎉です!

3.はんだボール対策メタルマスクに必要なデータ

上記の通り、はんだボール対策のメタルマスクを作る為には、最低限
・メタルマスクデータ
・シルクの情報

が必須となります。

シルクはガーバーデータでいただけると、メタルマスクデータと重ねて確認できるのですが、PDF等の図面でも対応は可能です。
ただし、2画面に表示させながら見比べる事になりますので、どうしても見落としのリスクが高くなってしまいます。
もし差し支えがなければ、上記含めた基板データ一式をお預かりできれば、より高い精度で確認が可能となります。

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いかがでしたでしょうか。
はんだボール対策は使う側にとってはとても効果的な手段ではありますが、作る側としてはシンプルな形状であるからこそどうしても人の手の介在が必要になります。
意外と手が掛かっているんだな、と感じられた方も多いのではないでしょうか?
メタルマスクデータの修正は、はんだボール対策の他、ブリッジ(ショート)対策や赤目対策など、昨今では実装品質を良くする為には必須作業となってきています。
弊社ではお客様のご要望を確実に製品に反映すべく、これらの変換は可能な限り自動化・ライブラリ化を推進しております。
是非こちらもお気軽にご相談下さい。

東京、神奈川を中心に、おかげさまで最近ではモノづくりの本場大阪や愛知からのお問い合わせも増えてきました✨
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