メタルマスクの納期について|メイコーテクノ

こんにちは、㈱メイコーテクノ 営業担当の山口裕之です。
弊社コラム、《メタルマスクについて徹底解説》をいつもご覧いただき有難うございます。
第19回目となる今回は、メタルマスクの納期について徹底解説させていただきます。

Amazon、楽天、Yahoo!などのECサイトは、今や翌日に届くのが当たり前の時代となりました。
お店が閉店後に思い立って、明日買いに行こうかな…よりも場合によっては早く届いてしまったりするくらい!
(私もAmazonで初めてお買い物をした際は、こんなに早く届くのかとビックリしたものです!)

では、メタルマスクはというと…何と!最短3時間で出荷する事が可能なんです。(Amazonに勝った!?)
もちろん様々な条件をクリアしなければなりませんが…オプション無しであれば、概ね当日中に出荷できてしまいます。
なぜこのような短納期を実現できるのか?
キーワードは「自動化」「データベース化」「見える化」となってきます。

それでは徹底解説を進めさせていただきます。


1.メタルマスク製造工程について(おさらい)

まずはメタルマスク製造工程についておさらいです。
メタルマスクの製造工程は合計6つ+αです。

①データ受入(確認、ご提案、お見積り)
②データ編集(開口補正、加工データへの変換)
③レーザー加工(オプション処理)
④表面研磨(バリ、ドロス処理)(オプション処理)
⑤後工程(コンビネーション、疾風メタル折り曲げ)
⑥梱包、出荷


となります。

各工程の詳細については、過去のコラムで掲載させていただいておりますので、是非そちらもご覧ください。
【メタルマスクの作り方】

2.メタルマスク製造工程毎の納期変動要素

上記だけ見ると、冒頭でお伝えした最短3時間で出荷する場合、各工程30分以内に次工程に回す必要があります。
最短3時間での出荷は条件付き…というのが何となくご理解いただけるかなと…汗
そこで、各工程でどのような納期変動要素があるのかをご説明させていただきます。

①データ受入(確認、ご提案、お見積り)

→こちらは変動要素…ではないのですが、特に一番時間を掛けるよう心掛けているのが「ご提案」です。
ここにできるだけリソースを割けるように、取り組みを実施しております。
後ほど詳しくご説明させていただきます。

②データ編集(開口補正、加工データへの変換)

→本工程の納期変動要素は、編集数と編集難易度です。
編集数は単純に数だけであれば一括変換ができるのですが、種類が多いとそれぞれに編集作業が入りますので時間を要します。
ただ、それよりも大きいのが、はんだボール対策などでよく使われるホームベース型などに変換するチップ補正です。
2個対を見つけて内側をカットしていく編集なのですが、その2個対を見つける為に基板のシルク文字を参照します。
この参照する基板シルク文字がPDFだった場合、誤変換(2個対の取り方(縦か横か)が合っているか)を1点1点データとPDFの付け合わせを行わなければなりません。
これでチップが数千点あったら…基板に携わっている方でしたらとても時間が掛かるのはご想像いただけるかと思います。
これは弊社の取り組みではありませんが…チップ補正を行う案件は基板シルクをガーバーやDXFなどのデータでいただけると助かります(汗)

③レーザー加工

→ここは単純に穴数に由来します。
段取り替え入れて、おおよそ1時間あたり5,000穴の加工が可能です。
特にBGAのような狭いエリアに穴がまとまっている場合は早いです!
スピードや精度はレーザー加工機の性能によって変化しますが、弊社では最新のレーザー加工機を導入しております。

④表面研磨(バリ、ドロス処理)

→ここは納期に大きな変動はありませんが。段取りの部分で時短できるよう工夫しております。

⑤後工程(コンビネーション、疾風メタル折り曲げ)

→疾風の場合は納期に大きな変動はありません。
コンビネーションについては、使用する接着剤によって大きく変動します。
一番時間の掛かるもので、某車載系のお客様向け特殊接着仕様の場合は乾燥だけで何と8時間を要します。
一番早いのはゴム系の接着剤で、こちらは15分から30分で仕上がりますが、メタルマスク洗浄液には若干弱いです。
掛けるコストとのバランスですね。

⑥梱包、出荷

→こちらも納期に大きな変動はありません。
お客様ご指定の納品書があったりしますので、間違いがないように手配側とご指定情報を共有しています。

◎オプション処理毎の納期変動
→こちらはホームページにわかりやすくまとめてありますので、そちらをご参照下さい。
【オプション処理別追加日数】

各工程で変動要素はありますが、膨大な穴数や接着剤の乾燥などの物理的な時間を除けば、変動要素があったとしても当日に出荷できるのがほとんどです。
ではどのようにこの変動要素を吸収しているのかを次でご説明させていただきます。

3.メタルマスク製造工程毎の取り組み

上記変動要素を吸収している取り組みとして、大きく分けて3つ「自動化」「データベース化」「見える化」を行っております。
納期変動要素を持つ工程にスポットを当ててご紹介させていただきます。
(前回とダブる部分がありますので、今回はそれぞれの取り組みについてをまとめた動画をご紹介させていただきます)

①データ受入(確認、ご提案、お見積り)

メタルマスクのお見積りは、営業に依存せず「データベース」を活用する事で基本当日中、遅くても翌日までにはお送りできる体制にしております。
また、業界初のWEB依頼システムを開発し、お客様からいただいた情報をすぐに製造仕様に落とし込める仕組みを整えております。

【動画】メタルマスクWEB依頼システム『It's mono.net』

我々はメイコーグループ内で開発・設計~基板製造~実装・組み立てを一貫して、かつ高難易度・高機能な基板にも対応が可能です。
これらの実績を総合してご提案させていただく事ができるのが強みとなっておりまして、ここに時間を割けるように取り組みを行っております。

②データ編集(開口補正、加工データへの変換)

上記のチップ向きなど、どうしても人の目や手を頼らなければならないならないところはありますが、ソフトのライブラリやカスタム変換機能を存分に活かして自動化を進めております。

③~⑥製造工程

・製造工程の自動化の取り組み『回数カウンター』『棚ピカール』
社内IOT部門と連携し「見える化」を実施。選ぶ工数や管理工数を削減して時短を実現。

・弊社独自開発!製造工程の「流れ」が見える生産管理システム『整流化システム』…画像準備中ですm(_ _)m
今何がどこにあって、どこの工程で滞留しているのか(ボトルネック)が一目でわかります。
製造メンバーの多能工化と合わせて、効率的なものづくりを実現しています。

【動画】コンビネーションレス『着脱式メタルマスク疾風』


特許取得済の着脱式メタルマスクシステムです。
コンビネーション工程が不要の為、従来アルミ枠付きタイプに比べて20%のコストダウンが可能。 ※当社比

・最新設備へ順次更新中
パソコンと同じですね。最新機種の方がサクサク動きます!


いかがでしたでしょうか。
今回はメタルマスクの納期について徹底解説をさせていただきました。
前回価格への取り組みでもご紹介させていただきました通り、メタルマスクの製造は固定費の占める割合が多いので、短納期が安くご提供できる事へもつながってきます。

【動画】メタルマスク価格への取り組み

より早く(≒安く)ご提供できるように、このような取り組みを続けて参ります!

当社では基板実装におけるお客様の課題解決を目的とし、「本気のモノづくりに応える」を掲げながら日々のモノづくりに取り組んでおります。

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