メタルマスクの価格について2024
こんにちは、㈱メイコーテクノ 営業担当の山口裕之です。
弊社コラム、《メタルマスクについて徹底解説》をいつもご覧いただき有難うございます。
第39回目となる今回は、メタルマスクの価格について2024年度最新版を徹底解説させていただきます。
原材料の高騰による値上げが各所で騒がれている昨今、ちょうど2年前の2022年10月にメタルマスク原材料の価格動向や、原材料が高騰する中でのメイコーテクノでの取り組みをまとめさせていただきました。
あれから2年が経過し、原材料コストが更に上昇している実感はあった
※個人的には…大好きなラーメン🍜がちょっとトッピング🥩つけると1,000円を超える事で原材料高を実感しています(笑)
のですが、実際どの程度上昇しているのかが気になったので改めて最新版としてまとめさせていただく事にしました。
ご不安にさせると申し訳ないので、先に結論だけお伝えさせていただきます。
結論は…✨努力してくれた製造部門に感謝!✨です。
…唐突でしたが(笑)、メタルマスク原材料はやはりこの2年間で更に高騰しておりましたが、原材料や人件費上昇分を上回る生産性向上の取り組みが功を奏しまして、
メイコーテクノとしては現状では引き続き値上げを考えておりません(一部仕入れ商品は除く)。
おいおい、変なところ削って品質落ちたりしない?リードタイムとか変わらないの?大丈夫かい??と思われた方、大丈夫です!
原材料高騰が進む中、なぜ品質や納期を落とさずに低価格を実現できるのか、また2024年版はどのような取り組みを行ってきたのかまでを次の解説内でご紹介させていただきます。
それでは徹底解説を進めさせていただきます。
1.メタルマスク原材料の状況
まずはメタルマスク原材料の現状を解説させていただきます。
メタルマスクの主要原材料はステンレスとアルミです。
ニュースや新聞などでも掲載されている通り、どちらも価格は右肩上がりです。
〔参考文献〕※Googleで「ステンレス 価格」「アルミ 価格」で検索した一番上のサイトを掲載しています。
メタルマスク用原材料としても値上がりしていまして、メタルマスク版製造における原材料は少なくとも
・SUS304 … 約24%の値上がり(2021年度比)
・アルミ枠 … 数回に分けて合計約20%強の値上がり(2021年度比)
となっており、前回掲載した2022年からも更に上昇を続けている事がお分かりいただけるかと思います。
上記の他、運送費(主に宅急便)、梱包費(主に段ボール)、薬液等の化学品なども値上がりをしているのは皆様周知の通りかと思います。
2.メタルマスクの価格構成
上記だけ見るとかなり厳しい状況に見えますが、メタルマスの製造において原材料費用の割合は実はそれほど大きくありません。
2024年現在の構成比率はざっくり以下のような感じです。
・変動費(SUS、アルミ枠等の材料費)…25%
・固定費(人件費や設備償却費等)…75%
そう、メタルマスク製造は固定費のカタマリなんです。
データ受入、データ編集、レーザー加工機、コンビネーション、検査、等々、人や設備が関わっています。
上記原材料の値上がりについては、もちろん様々な購買努力を行っておりますが、メイコーテクノとしては固定費の部分に特に着目し、2022年以降も引き続きり様々な取り組みを行ってきました。
固定費といっても設備は生産に必要なものなので削減はできませんし、設備投資も順次おこなっていますし、人件費も昨今の賃上げトレンドにより上昇しています…私も会社員なので賃上げはどんどんしてもろて(汗)
ではどのように固定費を削減していくのか?!
2022年と同じ内容にはなりますが、一言でいうと同じ人数・設備で2倍のメタルマスクを作れるようになれば、1版あたりの固定費は半分になります!
上記はかなりどんぶり勘定ですが(汗)、次にどのような取り組みを行っているのかを具体的にご紹介させていただきます。
3.メイコーテクノの取り組み
メイコーテクノでの取り組みは、2021年の第8回コラム「メタルマスク作製における品質への取り組み」でもご紹介させていただいております。
今回は特に効果の大きかった「自動化」にスポットを当ててご紹介させていただきます。
・NC変換工程の自動化
NC変換工程とは、編集(CAM)したガーバーデータをレーザー加工機で加工する為のデータに変換する作業なのですが、
この作業は自動化する前はおおよそ15分掛かっており、概ね1人~2人が1日付きっきりで作業を行っておりました。
これを…データを取り込んで設定して”ポチっとな”(←年齢がバレるww)とするだけの数秒の作業となり、おおよそ15分/版の生産性向上となりました。
えっ、たった15分ですか?!と思われたそこのあなた!実はこれが大きいんです!!
メタルマスク版は1版だけをよーいどんで作ると、おおよそ3時間で出来上がります!(仕様すり合わせやオプション加工は加味しない)
これを営業中にお客様にお伝えすると皆さんビックリされます(笑)
もちろん本来は沢山ご依頼いただいている中で、順々かつ並行して行っていますので、実際はこの限りではありませんが。。。
単純にこの作業だけでも15分/180分で約8%の生産性向上となるわけです。
この間にNC変換作業をやっていた作業者は別の作業に取り掛かれるわけで、更なる生産性向上に寄与していく…とても大きい効果である事がご理解いただけたかと思います!
ここで少し裏話を…
実はこの記事を書くにあたり、これだけ大きな効果をオープンにしたら他社に真似されるのでは?!と心配になり…製造責任者に確認を取りにいった時の事…
NC変換自動化についてコラム記事に上げようと思っているんだけど
いいんじゃない?!
これだけ効果のある内容だったら、記事に出してしまうと他社に真似をされる可能性があるんじゃない?!
ゼロじゃないけど、そんな一朝一夕で出来るもんじゃないよ( ̄ー ̄)ニヤリ
じゃあ遠慮なく掲載しますね!
…なんと心強いお言葉か!!
このOさんは、これ以外の自動化もゴリゴリ進めてくれていて、とても頼りになる”アニキ”です。
4.今後の取り組みについて
上記の通り、今までも沢山の取り組みを行なってきましたが、メタルマスクはまだまだ固定費を抑えられる要素が転がっています。
これらの要素を
・設備投資
・自動化
・IOT化
・仕組化 等々
で効率化していき、メタルマスク価格の維持に努めて参りたいと考えております。
いかがでしたでしょうか。
今回はメタルマスクの価格について、最新の情報にアップデートして徹底解説をさせていただきました。
世の中の動きは早く激しいものですよね。
これらに左右されないように、今後も「自動化」「データベース化」「社内連携によるIOT化」をキーワードに、無理をせず低価格でお客様にメタルマスクをお届けできるよう取り組みを続けて参ります。
当社では基板実装におけるお客様の課題解決を目的とし、「本気のモノづくりに応える」を掲げながら日々のモノづくりに取り組んでおります。
東京、神奈川を中心に、おかげさまで最近ではモノづくりの本場、大阪や愛知からのお問い合わせも増えてきました
メタルマスクのことならメイコーテクノへお気軽にお問い合わせください。